愛と結婚の歴史

『離婚したい』という人は口癖のように「もう(配偶者への)愛がないのです」と語ります。つまり「愛」は「結婚」の証明であり、「結婚」は「愛」のカタチであるという考えが前提になっているのです。

普段の生活ではあまり意識することはありませんが、現代日本人は当たり前のように「愛しているなら(から)、結婚してほしい」と要求するし、「結婚している以上、愛し合う必要がある」と考えています。

以上のように「愛」≒「結婚」という考え方を前提にすると、夫婦生活において「愛」が疑われるとその瞬間に「結婚」生活を続けることに違和感をもつようになり、「離婚したい」と考えるようになるのです。

しかし「愛がないから離婚したい」というような考え方の前提にある、「愛」≒「結婚」という図式自体、当たり前のようで当たり前ではないのです。今回はそのことを明らかにしたいと思います。

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