ゲームチェンジャー ~ 野菜中心主義 VS 肉食中心主義

もしあなたがビジネスに関わっている人間なのであれば、経済学について興味をもったことがあるでしょう。

経済学のエッセンスのひとつは「市場には法則がある」ということであり、そのもっとも有名な法則といえばアダム・スミスの「神の見えざる手」であることは疑いようがないでしょう。

神の見えざる手というのは、「(完全自由)市場において、価格というものは、需要と供給の均衡で決まる」という現代では小学生でも知っている経済法則です。しかし実は・・・・そのような考え方をそっくりそのまま鵜呑みにしてはいけないのです。

なぜならば経済学というものは市場を研究する学問であるものの、研究対象となる市場というものは、時代の変化とともに変わっていってしまうからです。そう。市場環境が変わることは、経済法則が変化することをも意味しているのです。

ようするに何がいいたいのかというと・・・・アダム・スミスの時代の「市場」というものと、われわれ現代人の【市場】は異なるのであり、だから昔の経済学の知識を鵜呑みにしてはいけないのです。前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入りましょう。

神への反逆者

アダム・スミスは、価格が決定する市場の働きを「神の見えざる手」を表現しました。なぜ?わざわざ「神」という表現を用いたのでしょうか?

それは資本主義の研究者であるカール・マルクスの言葉を借りれば、経済法則からわれわれ人間は「疎外」されているからです。

もしあなたが市場とかかわりがある人間なのであれば、市場が自分の思うように動いてほしいと願うでしょう。

例えばあなたが投資をやっているなら、「今日購入した株の株価が、すぐに上がってくれたらなぁ~」と願うでしょうし、起業家であれば「自社の製品の価格が2倍になればいいのに」と願うはずです。

しかし株価も製品価格も投資家や起業家の意志というよりは、市場法則に沿って動くのです。そのような「もどかしい感じ」をカール・マルクスは「疎外」と表現しました。

さて、もしあなたが投資家や起業家であれば、市場法則自体は変更しようがないとしても、その市場法則をフル活用して利益を最大化したいと願うのではないでしょうか?

そう。実際にそれをやった人がいたのです。そう。それをやる人たちを現代ではマーケッターといいます。

マーケッターの手口

マーケッターの手口は単純です。需要と供給が価格を決めるのであれば、消費者の需要を高めてしまえばいいのです。そうすればたくさん売れるし、しかも高く売りやすくなるのですから、やらない手はありません。

例えば「今日、ケンタッキーにしない?」というテレビコマーシャルを観れば、それを観る前まではまったくケンタッキーに関心がなかったのに、なんだかケンタッキーを食べたくなるでしょう。

しかしマーケッターの仕事はテレビコーマーシャルを流すことだけではありません。マーケッターの手口は、もっと手が込んでいて巧妙なものなのです。

肉 ≒ 筋肉・体力・健康?

わたしが外資系の経営コンサルティング会社に勤めていた時、会社の上司はしょっちゅう焼肉につれていってくれました。会社の上司曰く、「キツイときは肉で体力をつけて乗り切るしかない」のだそうです。

「肉を食べれば体力がつく」というのは、なんだか説得力があります。会社員時代のわたしは、上司の説が正しいとか間違っているとか立ち止まって考えることもせず、上司のいうことをなんとなく信じてしまいました。

そう。「肉 ≒ 筋肉・体力・健康のシンボル」という図式を、長い時間をかけて消費者に抵抗されることなく受け入れてもらい、その図式を無意識に強化させ続けるところに、マーケッターとしての仕事の本質があるのです。

わたしは「肉 ≒ 筋肉・体力・健康」という図式を無意識に受け入れて疑うこともしませんでした。しかしプロのアスリートのなかには、一度立ち止まって、その図式を検証しようとする人たちもいます。

もし興味があれば、「本当に肉を食べることが、自分のためになるのか?」という疑問をもった人たちに密着するドキュメンタリー「ゲームチェンジャー」(ネットフリックス)を観てください。

ゲームチェンジャー

このドキュメンタリー作品は、あなたの常識の壁を破壊してくれるはずです。。それでは今日もよい一日を!!