まずは『あなたが科学を学習すべき理由』について、詳しくお伝えします。なおここでいう『科学』とは、おそらくあなたが『科学』と聞いて想像するものとは異なる概念なので、きちんと説明しておきたいと思います。
時代は変わる
本会員制サイト『RICH STRATEGY』では、あなたが「豊か」になるのに役立つ情報を発信しています。すでに『進化』のカテゴリーでは、あなたが結果を出すために役立つ知識をお伝えしました。『進化』のカテゴリーのなかですでに説明したとおり、結果を出すために必要なことは、コンフォートゾーンをズラすことでした。
コンフォートゾーンとは、あなたにとって居心地の良い物理空間および情報空間のことです。たとえば極端に暑かったり、逆に寒い場所にいるよりも、ちょうどいい温度の空間のほうが居心地がよいでしょう。
であるならば、そもそもなぜコンフォートゾーンをズラす必要があるのでしょうか?コンフォートゾーンが居心地のよい空間であるならば、コンフォートゾーンから一歩も外に出ないほうがよいのではないでしょうか?
「居心地の良い」空間は、あなたが「豊か」になる空間とは限らない……というのが、答えになります。たとえばもしあなたが自宅の部屋から一歩も外に出ない「ひきこもり状態」で、あなたの家族が一日三食の食事を提供してくれるからといって、あなたの人生の「豊か」さが保証されるとは限りません。なぜならば「ひきこもり状態」のあなたをサポートしてくれる家族がいなくなった瞬間に、これまでのコンフォートゾーンは一夜にしてデンジャラスゾーンに変化してしまうでしょう。
これまで居心地の良かった空間が、これから先も居心地の良い空間である保証はありません。時代は変わっていくのです。
たとえば「いい学校・いい会社・いい人生」というような昭和すごろく的な価値観が、多くの人にとって居心地の良い時代があったことは確かでしょう。しかしいい学校やいい会社が、豊かな人生を保証してくれるわけではないことは、いい学校やいい会社にいる人ほど実感しているはずです。
事実、昨今のテクノロジーの進化はすさまじいものがあり、労働環境を激変させています。たとえばアメリカでは会計士から配管工にキャリアチェンジする人も珍しくないようです。
時代の大きな変化に直面して「大変な時代に生まれてしまった。強いリーダーに日本という国をなんとかしてほしい!」と期待する人もいるかもしれませんが、強いリーダーがあなたを幸せにしてくれる保証はありません。
たとえば1949年10月1日に中華人民共和国の建国を宣言した毛沢東(もうたくとう)の事例がわかりやすいでしょう。かつて毛沢東は中国の若者から「神」のように扱われたものの、のちに「悪魔」扱いされています。
毛沢東を絶対的に信仰して、すべてを棄てて、彼の指示通り夢中になって活動しているあいだに、貴重な青春は過ぎ去り、恋人も親兄弟も失い、気がついてみたら、学問や技術を身につける機会もなく、人生のチャンスはすべて失われていた、というのだ。
そのために自殺したり、発狂したり、不平不満を並べすぎて処刑されたり、そんな例があまりに多いものだから、若者は、社会主義にすっかり失望して、日本や欧米に憧れの眼差しを注いでいる。
【引用:資本主義中国の挑戦】
この引用文は1982年のものです。そして40年以上が経過した現在では、中国はアメリカと覇権を争うほどに成長しました。しかし中国の近代化が成功し、いくら経済成長したところで、中国人が「豊か」になれる保証は一切ないのです。
これまでの議論でわたしがあなたにお伝えしたいことは、時代の変化に応じて、わたしたち個人も「豊か」になるために変化する必要がある、ということです。コンフォートゾーンを変化させるために必要なことは……
絶望・感染・ゴール
コンフォートゾーンは、現状においては誰にとっても居心地のよい空間です。ですから「強い意志」だけでコンフォートゾーンをズラすことは、誰にとっても簡単なことではありません。たとえば「痩せよう!」と気合を入れたところで、多くの人はダイエットに失敗します。そしてダイエットの失敗を繰り返すうちに、「ダイエットに挑戦しては失敗を繰り返す」という状態がコンフォートゾーンになってしまうような事例も珍しくありません。
どうすればコンフォートゾーンをズラせるのでしょうか?
「現状維持の先にある未来に希望はない」と絶望した時や、「名状しがたいもの」に感染した時に、人はコンフォートゾーンの外に飛び出すチャンスを手に入れることができます。
しかし残念ながら・・・信じていたものに裏切られて絶望したり、「名状しがたいもの」に感染する経験を、人生に計画的に組み込むことは不可能です。なぜならば絶望も希望も予期しないタイミングで「やってくるもの」だからです。
しかしだからといって諦める必要はありません。コンフォートゾーンの外にゴールを設定した上で、今やるべきことに集中し続ければ、コンフォートゾーンをズラすことは可能です。
さて・・・「コンフォートゾーンをズラす」というテーマに沿って話を続けてきたのですが、ここで終わるわけにはいきません。なぜならば……
時代は変わり続ける
コンフォートゾーンをズラすこと自体は、ムズカシイことではありません。たとえばダイエットに挫折する人は多いものの、ダイエットに成功するケースだってあります。太っている人が痩せたということは、コンフォートゾーンをズラすことに成功したというなによりの証拠でしょう。しかしここからが重要なポイントなのですが、痩せ続けることは簡単ではありません。
時代は変わります。時代の変化に応じて「豊か」になるためにコンフォートゾーンをズラすことに成功する人はたくさんいます。しかし忘れてはいけないことがあります。時代は変わり続けるのです。
時代は変わり続けるため、わたしたちは「豊か」で「あり続ける」ために、コンフォートゾーンをズラし続ける必要があるのです。たとえば若い頃にダイエットに成功して痩せたとしても、時間は残酷に流れていきます。若い頃の「痩せる方法」と、中高年になって「痩せる方法」が同じとは限りません。事実、中高年になるにつれて基礎代謝は低下していきます。
つまりこれまでの議論を通じてわたしがお伝えしたいことは……コンフォートゾーンをズラす技術とは別に、コンフォートゾーンをズラし続ける技術についても学ぶべきだ……ということです。
コンフォートゾーンをズラし続ける上でもっとも重要なことは、やはりゴール設定です。たとえばあなたのゴールが「差別のない世界の実現」であれば、コンフォートゾーンをズラし続けるエネルギーをあなたに与え続けてくれるはずです。なぜならば「差別のない世界」はハードルがとても高い(あくまで個人的な意見)ので、ちょっとやそっと時代が変わったからといって、差別の解消のためにやるべきことがなくなるとは思えないからです。
つまり現状とかけ離れたゴール設定であればあるほど、コンフォートゾーンをズラし続けるエネルギーをあなたに与えてくれることでしょう。むしろ現状と遠くかけ離れていないゴールは、ゴールではありません。ですから時代の変化によって効力を失うようなゴールを設定することがないように「わたしが死んだ後も、通用するゴールか?」ということを立ち止まって考えてみることをおススメします。
ゴール設定は、何度繰り返しお伝えしても足りないくらい重要なテーマなので、今後も機会があるたびにお伝えしていきたいのですが、今回お伝えしたいことは別にあります。前置きが長かったのですが、ここからが本題です。
説得よりも納得が重要
現状とはかけ離れたゴールであればあるほど、説得よりも納得が重要になります。自分に対しても、他者に対しても、です。
たとえば2025年12月1日に、高市早苗首相は、人気漫画「進撃の巨人」の主人公エレン・イェーガーが発したセリフにちなんで「Just shut your mouths! And invest everything in me.(いいから黙って全部オレに投資しろ)」と発言しました。
しかし「黙って投資しろ!」と説得されたところで、投資家が投資を決断する保証はありません。「日本に投資する価値がある」と納得してはじめて投資家は、日本に投資してくれるでしょう。
「黙って●●しろ!」と強制したところで、他人の行動を支配できるとは限らないのです。しかし他人に協力してもらわなければ、ゴールに近づくことはできないのです。このジレンマは、どうすれば解消できるのでしょうか?
わたしからの提案は『科学』です。『科学』についてはこれからじっくり説明していくのですが、さしあたり『納得できる理屈』のことだと理解してください。
たとえばあなたが「お腹回りをスッキリさせたい」と考えていて、「効果的な筋トレのやり方」を探している場合を考えてみましょう。もしわたしが「お腹周りをスッキリさせるためには、腹筋は重要ではないことを知っていますか?」と、あなたに語りかけたらどうでしょうか?「ちょっと話の続きを聞いてみたい」と興味が湧くのではないでしょうか?
なぜあなたはわたしの話に興味をもったのでしょうか?もちろんわたし自身に興味を持ったのではなく『納得できる理屈』に対して、あなたは興味をもったのでしょう。
話を整理しておきましょう。あなたの頭の中には、以下のような理屈がありました。
- お腹周りをスッキリさせるためには、
- 腹筋が必要
わたしはあなたの頭の中にある「筋トレの理屈」を破壊したのです。「筋トレの理屈」が破壊されると、多くの人は「新しい理屈」を求めます。「新しい理屈」に納得すれば、あなたは筋トレではなく、別の手段を実践するに違いありません。
残念ながらわたしはダイエットの専門家ではないので、「ダイエットの新しい理屈」をあなたに提案することはできません。しかしわたしがいわんとしていることは伝わったのではないでしょうか。投資やダイエットに限らず、あなたの頭の中には、「現時点ですでに受け入れているなにかしらの理屈」が頭の中にあって、その「理屈」に従って行動しているはずなのです。
裏を返せば、あなたがゴールの実現に向けて新しい行動をするためには「現時点で受け入れているなにかしらの理屈」を壊して、「新しい理屈」を受け入れる必要があるのです。
もちろん「現時点で受け入れているなにかしらの理屈」は、人それぞれでしょうし、日常生活で意識している人は少数派でしょう。しかし「現時点で受け入れているなにかしらの理屈」は意識しないと、つまり言語化しないと、壊すこともできないのです。そして『納得できる理屈』がなければ、人間だれしも積極的に行動し続けることはできないのです。
欲求・信念・行動の一致
誰もが「幸せになりたい」という欲求をもっています。現代の中国政府は「頑張って働け!」と若者を説得しています。しかし中国の若者は、いくら説得されたところで「頑張って働けば、幸せになれる」という理屈に納得できないのです。だからこそ「寝そべり族」なる現象が発生しているのではないでしょうか。
あなたもなにかしらの欲求をもっていると思います。その欲求を満たす理屈(信念)を信じることができなければ、行動し続けることは不可能だと思います。欲求を満たす理屈(信念)が、曖昧(あいまい)であればあるほど、三日坊主で終わる可能性が高いと思います。もちろんゴールに近づくには、三日坊主では不十分です。
あなたが「幸せになりたい」と願ったところで、「幸せ」のカタチは人それぞれなので、必然的に「納得できる理屈」も人それぞれです。だからこそわたしは「あなた自身が納得できる理屈の創り方」について、あなたに学習する機会を提供したいと考えて、『科学』のカテゴリーではそれを伝えていきたいのです。
あなたの人生を豊かにする『科学』的な思考を身につけるためには、どうすればよいのでしょうか?
納得できる理屈の創り方
わたしからの提案は『アドラー心理学の学習』です。もちろん『アドラー心理学』の考え方そのものも、人間関係を考える上で非常に役立つのですが、わたしとしてはアドラー心理学を『科学的な思考を学ぶ教材』として位置付けたいと考えています。
むしろアドラー心理学を『科学的な思考を学ぶ題材』として位置付けることで、はじめてわたしたちはアドラー心理学を深く理解できるのだ……というのが、わたしの見解です。
アドラー虎の巻
アドラー心理学を『科学的な思考を学ぶ題材』として位置付けることの意義については、レポート『アドラー虎の巻』(パスワード:5555)や『続・アドラー虎の巻』(パスワード:1234)にまとめています。
アドラー入門講座
『アドラー虎の巻』や『続・アドラー虎の巻』を読めば、アドラー心理学は『科学』であり『モデル』であることが理解できると思います。また『モデル』について学ぶもっとも手っ取り早い方法は、あなた自身の手で『モデル』をつくってみることであることも理解できるだろうと思います。
とはいえ……あなた自身の手で『モデル』をつくってみよう!……と提案されたところで、戸惑ってしまう人も多いでしょう。そこでわたしがわたしのためにつくった『モデル』を公開します。もちろんアドラー心理学への理解を深める上でも、非常に役立つはずです。わたしのつくった『モデル』は、アドラー入門講座(パスワード:1111)のなかで公開していますので、ぜひ、参考にしてください!
参考記事
アドラー心理学には「すべての悩みは対人関係の悩みである」という思想があります。そこで対人関係、つまり、人間関係への理解を深めるのに役立つ映画を紹介します。


