【我々の満足感、幸福感は資産の量ではなく、資産の変化である。】

ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツはこんなことをいいました。我々の満足感、幸福感は資産の量ではなく、資産の変化である。

本記事では、ハリー・マーコウィッツの主張について詳しく解説します↓↓↓

資産を減らした人 VS 増やした人

Aさんは2億円の資産をもっている。しかしある日投資に失敗し、資産を9,000万円に減らしてしまった。その一方でBさんは500万円の資産をもっている。そしてある日投資に成功し、資産が3,000万円に増えた。あなたはAさんとBさんのどちらが幸せだと判断するでしょうか?

こういった場合、ほとんどの人はBさんが幸せだと答えます。Aさんは資産を減らし、Bさんは資産を増やしているのだからBさんのほうが幸せに決まっているだろうと考えるのです。しかしそれは本当でしょうか?

Aさんの資産は9,000万円、Bさんの資産は3,000万円。つまりAさんの資産はBさんの3倍です。ということは、やはりAさんのほうが幸せなのでしょうか?

しかしそれではなんとなく納得できない気持ちが残ります。1億1千万円もの資産を投資で失ったAさんが幸せなわけがないし、Aさん自身も失意のどん底にいるだろうと想像してしまう一方で、500万円を3,000万円に増やしたBさんは幸せな気持ちを味わっていることを想像するからです。

実は、現状9,000万円もの資産をもっているAさんのほうが幸せであると考えるのは従来の経済学における考え方です。過程はどうであれ「資産の絶対量が満足感を決める」と考えるのです。

その一方で500万円の資産を3,000万円に増やしたBさんの方が幸せであると考えるのが行動経済学における考え方です。「人間はいまいくらもっているか?ではなくいくら増えたか、いくら減ったかで幸福感が決まる」と考えるのです。

従来の経済学の考え方よりも行動経済学の「変化」に着目した考え方のほうが、ほとんどの人の実感にあっていると思います。なぜならば人は「資産が減り続ける」ことを想像しただけで恐ろしい気持ちになるからです。

とすれば日本人のほとんどが目指している「定年退職までに老後資金を準備して、その資産を切り崩して生活する」という戦略は、「やる前から不幸が確定している」ことに気づくのではないでしょうか?

とすれば「一生幸せな気分のまま生きていたい」という場合、目指すべきイメージは一つしかありません。それはズバリ・・・・・

長期的な幸せの追求

まずはカイジ的な生き方のイメージからみていきましょう。

ギャンブラー的な生き方

まるでジェットコースターにのっているかのような山あり谷ありの人生は、まさにギャンブラーの人生であり、カイジ的な人生であり、おそらくほとんどの人が「命がいくつあっても足りない」と感じるでしょう。

その一方で多くの人にとって満足度のもっとも高い生き方は、以下のような生き方ではないでしょうか?

長期的に幸せを実感する生き方

長い人生では予想がつかないこともあり得ますので、「常に右肩上がりの人生」を実現するのは非現実的かもしれませんが、「長期的には右肩上がり」であれば実現が不可能というわけではありません。心がけ次第で実現できるのです。

しかし投資にせよ、ビジネスにせよ、人間関係にせよ、「長期的な視点でみれば右肩上がり」を意識して実現しようとしている人は驚くほど少ないのです。

例えば投資。株式投資に挑戦すれば短期的な売買で利ザヤを得ようとしてしまったり、長期的に保有するつもりで購入した金融商品を目先の値動きの変動に注目して売買してしまうことは珍しくありません。

副業や起業にしてもそうです。時代の変化が早いこともあって、10年スパンで成長し続けるということを忘れてしまう人は多いし、とにもかくにも今だけ儲かればそれでいいいう淡い期待を捨てられない人はウジャウジャしています。

受験・就職・結婚においてもそうです。志望校への合格・就職先の内定・結婚が決定した時点で、なんとなく将来の幸せが保証されるのが当然だという錯覚に陥ってしまうことも珍しくありません。

時間を味方につけるか敵にする?

「長期的な視点でみれば右肩上がり」のイメージをもつことのメリットはたくさんあります。

まず1つ目のメリット。あなたがこれからの人生で何を成し遂げるにせよ、「長期的な視点でみれば右肩上がり」というイメージをもっていれば、「やる気がでない」ということはないでしょう。むしろ今すぐ何かに挑戦したくてウズウズするはずです。

カーネマンは人がリスクを積極的にとるのはリターンが+200%の時であることを明らかにしましたが、長期的な視点で何かに挑戦すれば200%のリターンどころか1000%のリターンを狙うことも決して夢ではないし、「時給1,000円のアルバイトから数億円の資産を構築しました」なんて話も意外と珍しくありません。

次に2つ目のメリット。長期的に視点に立つだけで心の平穏が手に入ります。少なくとも短期的な勝ち負けで気分がジェットコースターのように浮き沈みするなんてストレスからは解放されるでしょう。

さらに3つ目のメリット。長期的な視点に立つだけで他人の価値観に振り回されずらくなります。テレビやネットを視聴しているだけで、いろんなパターンの「新しい生き方の提案」に出会います。それらすべてが魅力的に映るはずですが、魅力的な提案を前にして浮かれている自分自身に「自分は長期的にそれをやるのか?」とツッコむだけで、頭を冷やすことができます。

さらにさらに4つ目のメリット。長期的な視点に立つだけで時間を味方につけることができます。「好きこそ物の上手なれ」という言葉もありますが、「ずっとやっている」ということだけでも評価されることもありますし、特定の専門家として何十年も活動していれば常人には真似できないスキルを身につけることでしょう。

以上、「長期的な視点でみれば右肩上がり」を意識することのメリットは計り知れないわけですが、それなのに多くの人がそうしないのでしょうか?実はその理由もちゃんとあるのですが、その点についてはまた別のレポートで詳しく解説したいと思っています。

まとめ

本レポートで伝えたかったことは、人間にも法則があるということです。人間は少しの利益ではリスクを取ろうとせず、逆に負けが確定するとリスクをとろうとする傾向があるのです。

そのような傾向があることを踏まえて「大きなリターンに向かって時間をかけて少しずつステップアップし続ける」という戦略をおススメしたわけです。その戦略が有効である証拠は世の中を見わたせばわかるはずです。

例えば住宅ローンを借りて新築マンションを購入するのは大きなリスクを伴います。しかしそれでもマイホームを購入する人がいるのは、マイホームの購入が「夢」であり、大きな希望をもたらしてくれるからです。「マンションポエム」という言葉があるように、マイホームを販売する側もそのあたりのことはちゃんと心得て宣伝しています。

他人が語る「夢」を信じてもいいし、自分が語る【夢】を信じてもいいわけです。事実、ほとんどの人が他人が語る夢を信じて、その夢を実現することが「成功」だと信じて大きなリスクを抱えています。

あなたは誰のために何をやり続けたいですか?