今回は、人間関係の『絆』への理解を深めることができる映画を紹介したいと思います。
予告動画)おおかみこどもの雨と雪
これ以降の内容は、ネタバレも含みますのでご注意ください。
アドラー流子育て
アドラー心理学の子育ての考え方は独特です。
アドラー心理学では、子育てをはじめとする他者とのコミュニケーション全般について「ほめてはいけない」という立場をとります。(中略)
無論、体罰はもってのほかですし、叱ることも認めません。ほめてはいけないし、叱ってもいけない。それがアドラー心理学の立場です。
嫌われる勇気
「おおかみこどもの雨と雪」を観て、多くの観客が最初に抱く違和感は、「なぜお母さん(花)は、子どもを叱りもしなければ、ほめもしないのだろう?」ということではないでしょうか。
もちろんお母さんも聖人君主ではありませんから、感情を爆発させて怒ってしまうときもあります。しかし基本的には、子どもを「人間」として扱うのです。
その背景には「子どもがオオカミ人間」であることも関係しているのでしょう。「この子は、人間として育てるべきなのか?それともオオカミとして育てるべきなのか?」という問題意識が、必然的に子どもに「こうあるべきだ」という自分の期待を押しつけない態度につながっているのです。
課題の分離
アドラー心理学には「課題の分離」という概念があります。
「課題の分離」とは、「自分の課題と他人の課題を切り分ける態度」のことで、「おおかみこどもの雨と雪」の文脈でいうなら、子どもが選んだ道について責任をもって決断できるのは当事者である子どもしかいないという態度を貫くことです。
だから雪が「オオカミ人間」として生きる道を選んだ時、お母さんとしてはそれは受け入れがたい決断であっても、最終的には雪の決断を受け入れることができたのです。
言葉にならないもの
日本社会は格差が広がり、貧困化が進んでいます。社会がダメになりつつあります。だからこそ『絆』の復権が課題になっているわけですが、「絆がないと、何かあったときに助からない」ということを主張する輩がいます。
しかし本来、『絆』というものは損得勘定をベースにしたものではありません。『絆』とは、自分が助かりたいがゆえに追及する「手段」ではなく、何があっても助けるという「目的」だからです。
言い換えれば、『絆』とは損得勘定を超えた「内から湧き上がる力」で紡ぐものなのであって、それがアドラー思想の鍵概念である「共同体感覚」をつくる原動力になるのです。
『絆』は、危機の時に際立ちます。「おおかみこどもの雨と雪」では「嵐」という危機がやってきます。家族の絆が試される瞬間を、ぜひチェックしてみてください。
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