二ツ星の料理人 ~ 自分からの解放に成功する体験

ある人から「わたしは●●が苦手です。変わりたいと思ってはいるのですが……」という相談を受けたことがあります。わたしは「変わりたいと思うのは止めなさい」とアドバイスしました。なぜならば「変わりたい」と思うほど『●●が苦手な自分』という現状を認めてしまうことになるからです。

実は……「変わりたい」と願うことは、裏を返せば自分で自分に『わたしは●●が苦手』であるという暗示をかけていることに他ならないのです。だからこそ本当に変わりたいのであれば、逆説的に「変わりたい」と思うことをやめなければいけないのです。

以上、「本当に変わりたいのであれば変わりたいと思うことをやめなければいけない」ということを言葉で説明したわけですが、あなたは「わかりました!」と納得できないのではないでしょうか?

そ・こ・で!今回紹介したいのが「二ツ星の料理人」という作品です。「本当に変わりたいのであれば変わりたいと思うことをやめなければいけない」ということを感覚的に理解する上で、非常に役立つはずです。

二ツ星の料理人

ここから先の文章は、ネタバレを含みますのでご注意ください。

逃げた過去に追われる?

アダム(役:ブラッドリー・クーパー)は、異常なほどの完璧主義者で、自分にも他人にも厳しい人間です。しかし完璧主義なのも、自分にも他人にも厳しすぎるのも実は、自信のなさのあらわれであることが次第に明らかになっていきます。

アダム(役:ブラッドリー・クーパー)は過去から逃げようとします。過去のトラブル、過去の女性関係、過去のライバル……など全てのことから逃げようとします。逆説的な話になるのですが、過去から逃げれば逃げるほど、過去がアダムを追いかけてくるのです。

自分を追いかけてくる過去の災いに、再度直面したアダムは絶望し自暴自棄になり、またすべてをぶち壊そうとします。しかしアダムは「ある気づき」を得ることで、過去から逃げることをやめて、『自分から自分を解放することに成功』するのです。

自分から自分を解放するとはどういうことでしょうか?

自分からの解放とは?

あなたが自分だと思っているものはすべて「過去」の産物です。その証拠にあなたの自己紹介に登場する単語はすべて、あなたが過去に手に入れたもののはずです。同様にアダムにとっては、過去の失敗も二ツ星のシェフだったという実績もすべては過去のものなのです。

つまり自分からの解放とは「過去(過去に手に入れた肩書)からの解放」を意味しているのですが、それを実践することは容易ではありません。どうすれば「自分からの解放」を達成できるのでしょうか?

映画『二ツ星の料理人』に沿って、解説しましょう。

ヨーダを超える

『二ツ星の料理人』という称号は、スター・ウォーズでいうところの「ヨーダ」レベルです(ちなみに1ツ星はルーク・スカイウォーカー)。三ツ星を狙うのであれば、ヨーダを超えなければいけません。

しかし「ヨーダを超えたい!」と思っているうちはヨーダを超えられません。なぜならば「ヨーダを超えたい!」と願うことは、「ヨーダを超えたい!」≒「今の自分はヨーダより劣っている」という図式を受け入れることに他ならないからです。

だからこそ本当にヨーダを超えたいのであれば「今の自分はヨーダより劣っている」という呪縛を解き放ち、「今の自分はヨーダよりも優れている」ことを確信しなければいけないのです。しかしこれがなかなか難しいのです。

ちょっと想像してみてください。今のあなたが二ツ星のシェフだとします。もしあなたが「今のわたしは三ツ星シェフでなければオカシイ!」と本気で信じることができるのであれば、あなたは三ツ星シェフになるでしょう。

なぜならば「今のわたしは三ツ星シェフでなければオカシイ!」と信じている以上、二ツ星に甘んじている自分の存在を許すことができず、あらゆる努力をすることが苦にならなくなるからです。

自信のある表情

『自分からの解放』を言葉で説明するのはほぼ不可能ですが、『二ツ星の料理人』の最後のシーンを観ればそのことがよくわかるはずです。是非ともラストシーンのアダムの表情をご覧ください。ストーリー序盤にはちょっとしたトラブルですぐに慌てていたアダムの表情が、ラストシーンにおいては劇的に変化していることに気づくはずです。

そして『二ツ星の料理人』を鑑賞した後に、鏡で自分の顔を見てみましょう。あなたは実現したいことを当たり前のように達成する人間の表情をしているでしょうか?

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