『AI vs.教科書が読めない子どもたち』の著者、数学者の新井紀子さんは中学生の読解力が低いことを指摘します。読解力が低いことは大きな問題をはらんでいます。なぜならば読解力が低ければ出題された問題の意味を理解できないため、正解から遠ざかってしまうからです。
わたしも『AI vs.教科書が読めない子どもたち』を読んで中学生の読解力の低さに衝撃を受けた一人です。読解力が伸びるのは中学生の頃までだといわれていますから、中学生のうちに読解力を鍛えなければ本当にマズイことになると思ったのです。
しかし同時に違和感もありました。その違和感とは・・・・
本当にそうなのか?
中学生はコンピューターが正解できる簡単(?)な4択問題に正解することができません。4択問題は、問題文をちゃんと読めば誰でも(?)正解できるレベルのものです。特別な知識は必要ありませんし、試験問題でもないので「ひっかけ」や「落とし穴」もありません。
それにも関わらず中学生の正答率は低いのです。だから新井紀子さんは「問題は中学生の読解力が低いことにある」と結論を下し、中学生の読解力を判定し改善のヒントを探す教育プログラムまで開発しています。
しかし・・・・わたしはかつて戦略コンサルタントでしたから「本当にそうなのか?」と疑うクセがついています。だから「中学生の読解力が低いと判定された理由はなんなのか?」ということがどうしても気になってしまうのです。
そしてマーケッターでもありますからどうしても「中学生の立場」になって、「もし中学生が簡単な4択問題を出題されたらどう感じるだろうか?」ということを考えてしまうのです。
わたしの率直な意見は・・・・「ダルイだろうな」でした。要するに・・・・
やりたくないだけ
「バカの壁」などの著書で有名な解剖学者の養老孟子さんは、中学生の読解力が低い理由を「読みたくないから」とズバリ指摘しています。
親から「勉強しろ!」、「勉強しろ!」とばかりいわれて中学生はウンザリしているのです。だから人生を左右するわけでもないテストは適当に「スルー」するのです。『教科書が読めない子どもたち』のなかに隠れている『教科書を読まない子どもたち』にはどのようにして対処すればいいのでしょうか?
中学生の態度はコーチング用語の「創造的回避」(クリエイティブアボイダンス)で説明がつきます。「やりたくないことはやりたくない」のです。逆に「やりたいこと」があれば中学生は六法全書でも読もうとするのです。
だから子どもの保護者や教師がやるべきことは・・・・・社会学者の宮台真司曰く「体験デザイナー」になることなのです。子どもにいろいろな体験をさせることで、理屈を超えて子どもが熱中する何かを探すサポートをするのです。
とはいえこの記事を読んでいるあなたは成人でしょう。だから自分でそれをやるしかありません。「なんとなく感じる」ことを意識して、自分の欲求がどこにあるか探すのです。それが見つかれば「モチベーションを上げる方法」について考える必要性そのものから解放されるはずです。
■ 次はコチラ
■ 『進化』の記事一覧

