あなたには仲のいい友人がいるでしょうか?どうすれば友人との仲を深めることができるでしょうか?
予告動画)15時17分、パリ行き
これ以降の内容は、ネタバレも含みますのでご注意ください。
法外の享楽
学生時代から仲のいいほとんどの友人と「一緒に悪いことをやった」経験があります。悪いこととは「法律で禁じられていること」です。もしお巡りさんが目の前にいたら逮捕や起訴はされなくても「ちょっと署まで……」と連行されても不思議ではないことをたくさんやりました。
わたしと友人がやった悪いことを具体的にこの場で共有することはしませんが、例えば「賭け麻雀」。わたしが大学生だった時は、大学の授業をサボって賭け麻雀をしている人が珍しくありませんでした。
在職中に知人の新聞記者らと賭け麻雀をしたとして、賭博罪で略式起訴された黒川弘務・元東京高検検事長は「軽い気持ちで賭け麻雀を続けた」とコメントしていますが、賭け麻雀をする大学生はみんな「本気」でした。
なぜ「一緒に悪いことをやった」人たちが仲良くなるのか?理由は「法外の享楽」です。世間一般に「やっちゃダメ」といわれていることを共有すると、不思議なことに人間は仲良くなれるのです。
そもそも「やっちゃダメ」なことは、仲間としか共有できません。なぜならば「チクられる」可能性も否定できないからです。チクられたらヤバイことを共有する過程で、お互いの友人関係を確認し深めていくことができるのです。
監督との戦い
クリント・イーストウッドは右翼です。日本では右翼といえば「日本!スゲー!」を連呼する人たちを想像するかもしれませんが、右翼とは本来「内から湧き上がる力」を愛でる人たちのことをいいます。
右翼であるクリント・イーストウッドは「アメリカ!スゲー!」とか、「日本!スゲー!」という人たちを信用していません。なぜならば「アメリカ!スゲー!」とか、「日本!スゲー!」というのは単なる『言葉』だからです。
右翼であるクリント・イーストウッドは、自身が監督する映画作品にも「内から湧き上がる力」を反映させる工夫をしています。具体的には「俳優が事前に練習するのは禁止」なのです。俳優同士が練習すればするほど、「覚えたセリフを読んでいるだけ」になり、「内なる湧きあがる力」が失われる……とクリント・イーストウッドは考えているのです。
ぶっつけ本番の祝辞
「あらかじめ考えてきた言葉」と、「内から湧き上がる力を反映させた言葉」の違いは本当に大きいのです。わたしは友人の結婚式に参加したとき、自らの体験として「内から湧き上がる力を反映させた言葉」のパワーを体感しました。
仲のいい友人の結婚式に招待されたわたしは、某有名レストランでの披露宴に完全に浮かれていました。パンもバターもフォアグラも本当に美味しくて、何度も赤ワインをお替わりしてかなり酔っていました。そろそろ披露宴もお開き……という時間になって、友人代表の挨拶の時間になり、わたしは「誰が祝辞をするんだろう?」とリラックスしていたのですが、友人代表として呼ばれたのはなんと……わたしの名前でした。
披露宴に参加している全員がわたしの方を見ていました。アキラ100%……ではなく、視聴率100%というやつです。わたしには「ヤバイ……」と思う時間すらありませんでした。友人代表として挨拶をするしか選択肢はありません。
わたしは本番ぶっつけで友人代表の祝辞を終えたわけですが、わたし自身が一番驚いたことに……披露宴が終わるとたくさんの人から「心のこもったいいメッセージだったよ。」と声をかけられたのです!(しかも自分ではどのような挨拶をしたのか全く覚えていないのに!!!)
全員素人
クリント・イーストウッドの作品といえば、全世界から注目を浴びるのは確実です。しかし「15時17分、パリ行き」を鑑賞しても、きっと知っている俳優は誰も登場しないはずです。そう。実は……実話をベースにした「15時17分、パリ行き」の主人公たちは、全員「本人」なのです。
演技の勉強もしたことのない素人が、ある日、「人生を変える瞬間」に遭遇し、そのときの経験がもとになっている映画に本人役で登場するのです。しかし本当にスゴイことに、全員が素人のはずなのに、演技に違和感がまったくないのです。
自然な演技がなぜ実現できたのか?それはおそらく「法外の享楽」のなせる業なのではないでしょうか?クリント・イーストウッドの「俳優は事前練習禁止」というルールを無視して、こっそり練習しているに違いないのです。
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