弱さは権力

今回の内容は『アドラーの基礎モデル』の⑤を理解する上で役立つはずです。

提案)アドラーの基礎モデル
  • わたしたち個人は社会のなかで生きている。わたしたち個人は、真空の中でぷかぷかと浮いているような状態で生きているわけではない。
  • である以上、人生の課題に向き合わなければならない。人生の課題とは仕事・交友・愛の三つである。
  • 人生の課題への向き合い方は、わたしたち一人一人のライフスタイルで決まる。
  • 人は無力な存在としてこの世に生を受ける。そして無力な状態から脱したいと願う、「優越性の追求」という普遍的な欲求をもっている。
  • 優越性を過度に追求しようとするあまり、わたしたちは優越コンプレックスや劣等コンプレックスなどの「不健全なライフスタイル」を身につけてしまうことがある。
  • 共同体感覚を『導きの星』にして、人生の課題と向き合うべし!
  • 人生の課題に向き合うことをためらう人がいるが、そんな時は以下のことを思い出そう。
  • 何をするにもリスクをゼロにすることはできない。
  • 社会は人間がつくったものであり、変えることができる。
  • 過去の経験が未来を決めるのではなく、未来への展望が現在を決める
  • 過去の経験を言い訳にして行動しないときは見かけの因果律を疑うべし。
  • 他人から与えられることを待つのではなく、自分から始める
  • 特別な存在を目指す必要はない。いまの自分ができることから始める

そもそもコンプレックスとは……

複雑に絡み合った倒錯的な心理状態を指す用語で、劣等感とは関係ありません。

【引用:嫌われる勇気】

倒錯的な心理状態といわれてもよくわからない場合には、劣等感や優越感を何かと結びつけて強化する状態のことだと理解するとわかりやすいと思います。たとえば偉い人と一緒にいることで、優越感を強化しているような場合は、優越コンプレックスの状態であるといえるでしょう。

さて……優越感を感じるためには、権威のあるものと自分を結びつけるのが一般的だと思います。しかし逆に「権威のないもの」と自分との結びつきを匂わせることで、優越感を強化することもできるのです。

弱さゆえに

『嫌われる勇気』には以下のような記述があります。

青年
青年

弱さが権力ですって?

哲人
哲人

ええ。自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。自分がいかに不幸で、いかに苦しんでいるかを訴えることによって、周囲の人々――たとえば家族や友人を心配させ、その言動を束縛し、支配しようとしている。いちばん最初にお話しした引きこもりの方々は、しばしば不幸を武器にした優越感に浸ります。アドラーは「わたしたちの文化においては、弱さは非常に強くて権力がある」と指摘しているほどです。

哲人
哲人

アドラーはいいます。「わたしたちの文化のなかで、誰がいちばん強いか自問すれば、赤ん坊であるというのが論理的な答えだろう。赤ん坊は支配するが、支配されることはない」と。赤ん坊は、その弱さによって大人たちを支配している。そして、弱さゆえに誰からも支配されないのです。

今回は弱さをアピールすることで、優越性を発揮していると思われる事例をひとつ紹介します。

本当に怖いです

事の発端は、東京都千代田区長選(25/2/2投開票)に立候補予定の佐藤沙織里(以下、さとうさおり)さんの以下のツイートです。

佐藤沙織里さんの上記ツイートに対して、ジャーナリストの菅野完(すがのたもつ)さんが、以下のように反応しました。

すると佐藤沙織里さんは、菅野完さんの過去の強制わいせつ未遂容疑を紹介するツイートで反撃したのです。

話をまとめておきます。

佐藤沙織里さんは、冒頭のツイートで、「わたしはN国党ではない」と主張しています。しかし菅野完さんが紹介している動画を視聴する限り、佐藤沙織里さんがN国党に所属していた過去があるのは事実のようです。(本人がN国党だと発言している)

しかし佐藤沙織里さんにとっては、過去の事実を明らかにされることは「いやがらせ」だったようで、菅野完さんの過去の強制わいせつ未遂容疑を紹介するツイートで反撃しています。

今回注目したいのは、佐藤沙織里さんのツイートの最後の文面にある「本当に、本当に怖いです」という言葉です。

佐藤沙織里さんには「わたしにはN国党から選挙に出馬した過去があります。しかし現在は、N国党から離党しており無所属です」と主張するという選択肢もあったと思います。しかし佐藤沙織里さんが選んだのは、「本当に、本当に怖いです」と弱さをアピールするという選択肢だったのです。

菅野完さんに以下のように追撃されてしまうのも、致し方ないことなのかもしれません。弱さをアピールすることが逆効果になることもあるので、くれぐれもご注意を!

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