あなたの初期仮説

就職活動中に経営コンサルタントという職業に興味をもったわたしは、経営コンサルタントとして現役で働いている社員から「数か月のプロジェクトで数千万円の費用を請求する」という話を聞いて驚きました。

そして「社会人になりたての自分が、わずか数か月の期間で数千万円という大金を請求する仕事に関わることができるのだろうか?」と疑問を抱きました。

悪評

自分がこれから関わるかもしれない仕事なので、いろいろな人に話を聞きました。たとえば某外資系コンサルティング会社と関わった経験があるという人は、「役に立たなかった」という話を教えてくれました。

話を聞けば、3,000万円支払った報告書は、大事に部長の机の中にしまわれているというのです。

わたしはこの話を聞いて落ち込みました。なぜならば高い給料をもらえるからといって、役に立たない報告書をつくるために自分の人生の時間を使うなんて無駄だと思ったからです。

とはいえ本当に役に立たない報告書ばかりを量産しているのであれば、経営コンサルティング会社はこの世に存在していないはずです。

経営コンサルティングにも存在意義があるに違いない…ということが気になったわたしは、さらにいろいろな人に話を聞いていったのですが、興味深い話をゲットすることに成功しました。

好評

戦略コンサルタントはあくまでも黒子でありさらに守秘義務もあるため、具体的に「コレが戦略コンサルタントの成果」と社外に宣伝することができません。

そのため就活生という立場では、わかりやすい具体的な情報を手に入れることはできなかったのですが、就職活動中に出会ったある人が、戦略コンサルタントの仕事とは「初期仮説を立てる」ことだと教えてくれました。

その人曰く戦略コンサルタントの仕事は、あくまでも短い時間で「初期仮説」を立てることなのであって、初期仮説はクライアントによって改善されるべきものだというのです。

つまり戦略コンサルタントの仕事(≒報告書)が(そのままでは)役に立たないというのは、本当のことだったのです。

失望 or 福音

もし戦略コンサルタントの仕事が「結果」なのだとすると、クライアントに大きな失望をもたらすことになるでしょう。なぜならば戦略コンサルタントの報告書どおりにやってみても、あまりうまくいかない可能性の方が高いからです。なにしろ「初期仮説」なのですから。

その一方で戦略コンサルタントの仕事が「初期仮説」だと考えることができれば、クライアントに福音をもたらす可能性があります。なぜならばライバルより早く挑戦し、改善点を見つけられるからです。

さて、ここからが本題です。

わたしがあなたにお伝えすることができるのは、「初期仮説を出すための方法」や「初期仮説」でしかありません。ですから素直にわたしのアドバイスすべてに耳を傾けても、すぐに結果はでないでしょう。

わたしもたくさんの「これをやればうまくいく」的なノウハウを手に入れてきましたが、ノウハウをそのまま実行してうまくいくことのほうが稀というのが本当のところです。

前提情報を考える

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、投資判断のために何十年も前のニュースを参考にすることも珍しくないそうです。

凡人であるわたしはこの話を聞いた時、「大昔のニュースを読んで参考になるの?」と疑問に思いましたが、投資の神様は過去のニュースをそのまま参考にしているわけではありません。

投資の神様は「過去にこんなことがあった。現在同じことが起きるだろうか?同じことが起きないのだとすれば、それはどんな前提条件があるからなのだろうか?」というようなことを考えているらしいのです。

たとえば日本は戦争に負けてその後高度経済成長を遂げました。では今の日本が再び戦争に負けたら、再び高度経済成長を達成することができるでしょうか?

おそらく不可能です。理由はいくつも挙げられますが、たとえば「戦前は若い人が多かったが、今は高齢者が多いから」といった前提条件の違いがあるからです。

情報にも鮮度がある

香川で打ち立てのうどんをはじめて食べた時、「今まで食べたうどんはなんだったのか?」と衝撃を受けました。そう、肉や魚と同様に、うどんにも鮮度があります。

肉や魚やうどんに鮮度があるように、もちろん情報にも鮮度があります。同様にあなたが他人から「うまい話がある」ことを聞いたタイミングでは、うまい話の前提条件が変わっている可能性があります。

初期仮説を立てたら、まずはやってみましょう。うまくいってもいかなくても「なぜ?うまくいった(いかなかった)のか?」ということを考えて次の仮説を立てる…というプロセスを繰り返すことを忘れないでください。

仮説を立てることに慣れればなれるほど、成功の可能性を高められるはずです。

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