Joe the King ~ 子どもの教育はどうあるべきか?

子どもが生まれると親は「どう教育すればいいのか?」と悩みます。そして「なるべくならいい教育を与えてあげたい」と考えるのが親心というものでしょう。しかし……あなたは驚くかもしれませんが、「いい教育を与えれば、ちゃんとした子どもが育つ」というような思考を戒めるのが社会学的な思考なのです。

予告動画)グッバイ・ジョー

予告動画はYouTubeで視聴してください。

いい教育とは?

近代における教育の役割のひとつは「社会化」です。つまり「社会でちゃんとやっていけるように育てることが教育の目的である」と考えるのです。しかしわたしたち現代人は、教育の目的を「社会化」に置くことが極めて難しくなっているという現状を目撃しているはずです。

例えば「いい会社で働いてほしい」と親が願ったところで、親に「いい会社」がわかるのでしょうか?わたしは外資系の経営コンサルタントに勤めましたが、わたしの同期の東大生は「名前もきいたことのない外資系の会社で働かせるために東京大学に入れたわけではない」と親から強く反対されたそうです。

しかし2020年頃になると東大生の人気就職先ランキングで、外資系のコンサルティング会社や外資系の投資銀行の名前を見かけるようになりました。ちょっと前なら想像することすら考えられなかった状況を目の当たりにして、わたしは衝撃を受けました。

わたしが何をいいたいのかというと、社会の変化する速度に教育が変化する速度が追いついていないということです。そして今後ますます社会が求めるものと、学校教育が提供するものとの隔たりは大きくなっていくでしょう。

だからこそわたしの「オンラインコーチング」なるビジネスが成り立つわけですが、今回紹介した映画「Joe the King(邦題:グッバイ・ジョー)」で伝えたいこともそういうことなのです。

教育の逆説

「かわいい子には旅をさせよ」とか「若い時の苦労は買ってでもせよ」ということわざに説得力があるのは、学校や家庭で「いい子」であることが社会をちゃんと生きられることを保証するわけではないからです。逆に、学校や家庭で数々のトラブルを経験して乗り越えた子どものほうが、社会をちゃんと生きられるということもあり得るのです。

映画「グッバイ・ジョー」では、教育の逆説がちゃんと描かれています。

例えば主人公ジョーのカウンセラーであるレン・コールズ(演:イーサン・ホーク)は、子どもを違法に働かせているレストランに『警告』の電話をかけます。しかしジョーを助けるはずだった1本の電話がジョーを窮地に陥れてしまうのです。

そして犯罪を犯したジョーの処分を決める裁判官も教育の逆説に気づいています。だから「刑務所に入れることが(ジョーにとって)最善の選択です。」と語るのです。そう。学校ではなく刑務所に子どもを入れることが、社会をちゃんと生きるために必要である……という可能性もあり得るわけです。

現代に求められる教育

子どもが大人になったときに待ち受ける社会がどのようなものかわからない以上、子どもが身につける能力は「どのような社会であってもちゃんと生きていける能力」以外にないというのがわたしの持論です。

「どのような社会であってもちゃんと生きていける能力」とはどんな能力でしょうか?それはおそらくジョーが学んだものです。Joe the King(邦題:グッバイ・ジョー)を観てあなたも感じてみてください。

■ 『社会を学べる映画

『社会』を学べる映画