ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加入する動きを本格化させたら……ロシアがウクライナに攻め込んできました。プーチン大統領の決断から、合理的な思考の危険性がわかります。どういうことかというと……
予告動画)ランダム存在の確率
これ以降の内容は、ネタバレも含みますのでご注意ください。
先制攻撃するのが合理的
ウクライナとしては「わたしたちがNATO(北大西洋条約機構)に加入しても、まさかロシアが攻めてくることはないだろう」という前提があったのでしょう。しかしロシアはウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加入する前に戦争を仕掛けてきました。
わたしの知る限り、ほとんどの専門家が「可能性はゼロではないけれど、まさかロシアが戦争を仕掛けるわけがない」というスタンスでした。ロシア軍がいつでも軍事侵攻を開始できる布陣と臨戦態勢を敷いている……という状況になっても「北京でパラリンピックもはじまっていないのに、ロシアが戦争を仕掛けるわけがない」という意見に説得力がありました。
しかしプーチン大統領は……ウクライナやNATOの思惑を完全に裏切る決断を下しました。NATOは軍事同盟です。対ロシアを前提とした軍事同盟です。だからロシアとしては国境を接しているウクライナがNATOに加盟することは、「ありえないこと」だったのでしょう。
プーチン大統領の考えは本人にしかわかりませんが、プーチン大統領の立場からすれば「もし将来的にウクライナが攻撃してくる可能性があるなら……ウクライナから攻撃されてから反撃するよりも、先制攻撃して危険性の芽を摘んでしまうのが吉」と考えても不思議ではないと思うのです。
なぜ?このような話をしているのかというと……
前提を共有する仲間をつくる
もしあなたの家族の誰かが「あなたを攻撃する」という計画を立てていることを察知したとします。もし合理的に考えるのであれば、「やられる前にやる」という結論になるでしょう。攻撃されてから反撃するのでは遅いのです。
しかし現実には「やられる前にやったほうがいいのだろうか?」なんてことを考える機会はほとんどありません。なぜならば「あの人が自分を攻撃することはないだろう」という前提をお互いが共有しているからです。
もし「あの人が自分を攻撃するなんてことはないだろう」という前提がなかったら?もう不安に駆られて落ち着いた日常を送ることは不可能になるでしょう。「いつあの人が攻めてくるか?」ということが気になって夜も眠れなくなるかもしれません。
今回紹介した映画「ランダム 存在の確率」では、まさに「やられる前にやる」ことを決断する女性が登場するのですが、この映画の面白いところは「他人どころか自分ですら敵になるかもしれない」という恐るべき可能性をちゃんと描いているという点です。(事実、将来の不安から逃れるために自殺する人もいる)
裏を返せば……もしあなたが「不安」という状態を遠ざけて「安心」を手に入れたければ、たくさんの前提を共有した人間関係を構築しなければいけないのです。(注:将来の自分と良好な人間関係を構築する手段として「コーチング」があり、他者と良好な関係を構築するために「縁起」や「感情」について熟知する必要があるのです。)
しかし残念ながら……ほとんどの人が「前提を共有する」という発想すらありません。なぜならば……
自分が正しい
人には無意識に「自分が絶対に正しい」と思い込む傾向があります。だから「あの人と前提を共有できているだろうか?」などと考えることもせず、何か問題が発生すれば「なぜあなたは間違った前提をもっているのですか?」と相手を責めるのです。
例えばケンカの絶えない夫婦もお互いが「自分が絶対に正しい」と思い込むという状態に陥っています。「自分が絶対に正しい」とお互いが思い込むことを続ける場合、「価値観の違い」という理由で離婚に至ることも珍しくありません。
あなたにはプーチン大統領のように「自分が正しい」と思い込んで世界を敵に回すという選択肢もあります。しかし「自分とあなたの間ではこういう前提を共有しましょう」と提案し、人間関係を発展させる選択肢もあるのです。
もしあなたが「あの人がああしたら、自分はこう対処して、もし相手が反撃してきたら、自分はこう対処して……」と考えれば考えるほど不安になり誇大妄想に取りつかれた結果、他人から「痛いやつ」判定されたくなければ……あなたが大事だと思っている事柄について前提を共有できる人間関係を構築することに全力を傾けましょう。
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