アドラー心理学の読書ガイド

アドラー心理学に関する書籍(以下、アドラー本)はたくさん出版されているため「どれを読めばいいのだろう?」と戸惑うこともあると思います。そこでアドラー本を片っ端から読んでいるわたしが、おススメアドラー本を紹介していきたいと思います。ぜひ興味のあるものをチェックしてください!

哲学

アドラー心理学を学ぶ一つの方法は、哲学として学ぶことです。

プラトンは、人生における重要なことは簡単に言葉にできるようなものではないので、それを書物にして、誤解されやすい形で後世に残すなんて、真っ平ごめんだと考えていました。プラトンによれば、真理を悟るためには、師匠のソクラテスがやっていたように、生きた人間が出会って、互いに全人格を賭して問答するしか方法はないと考えていたのです。

【引用:アドラー虎の巻】

アドラー心理学を哲学として学ぶ場合には、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』がおススメです。ちなみに『勇気二部作』と呼ばれている『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』も、徹底的な問答の末に完成しています。

一方的に話を聞くのではなく、問答をすることが、真理に到達するためには必要です。青年は想定しうるあらゆる質問を哲人にしますから、読者は哲人と青年の対話の現場に立ち会っていると感じられるでしょう。

実際、この二冊をつくる過程においては、共著者の古賀史健さんと担当編集者の柿内芳文さんが、東京から私の住む京都まで二年以上も通い詰め、徹底的な問答を行いました。まるで「青年」のような二人との共同作業の成果が詰まったのが、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』なのです。

【引用:アドラーをじっくり読む】

アドラー心理学をはじめて学ぶ場合、きっと「わかったようなわかっていないようなモヤモヤ」を抱えることになろうかと思います。そのような状況では「アドラー心理学の何がわからないの?」と質問されたところで、「何がわかっていないのかも、よくわかっていない」と答える他ないと思います。

『勇気二部作』に登場する『青年』は、アドラー心理学に興味はもっているものの、アドラー心理学に納得していない状態です。そのため『青年』は『哲人』に対して、かなり批判的な態度で質問を繰り返しています。きっとあなたがアドラー心理学に対して感じているモヤモヤの代弁者になってくれるはずです。

『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』については、本講座では特に詳しくフォローしていますので、是非、参考にしてください。

【推薦図書】嫌われる勇気 【推薦図書】幸せになる勇気

相談

アドラー心理学を学ぶことと、アドラー心理学を実生活に活かすことの間には、壁があると感じる人も少なくないようです。

いわれることはよくわかる、でも実践することは困難であるというような反応が返ってくることが多いように思います。

【引用:アドラー心理学入門】

『勇気二部作』に登場する『青年』とあなたは、同じ人間ではありません。ですから『青年』がアドラー心理学への疑問を解消できたからといって、あなたの現実的な疑問が解消されるわけではありません。そこでおススメしたいのが『人生を変える勇気』です。

人生を変える勇気』には、誰もが一度くらいは直面しそうな現実的な88の悩みに対して、アドラー心理学の立場からの回答が用意されています。

さまざまな悩み
  • 自信がない
  • 人前で緊張する
  • 占いに頼ってしまう
  • 何をしても後悔する
  • 人のサポートに満足できない
  • 付き合い方、距離の取り方がわからない
  • 同窓会が憂鬱
  • 不幸話をする友人とどう付き合えばいいのか
  • 一人とギクシャクすると
  • 結婚した友人と疎遠に
  • かつて仲がよかった人
  • 許せない友人
  • 悪口をいわれて
  • おひとりさまの会に出たくない
  • 不快なことを断りたい
  • 自慢ばかりする人
  • うるさい隣人
  • 暴言を吐かれたら
  • 相手と近くなるためには
  • すぐに感情的になる友人
  • LINEを止められない
  • 働くのが面倒くさい
  • 親が口出しをする
  • 親が干渉してくる
  • 就職が決まらない
  • 内定が取れたのに
  • すぐに退職してしまった
  • 大人になるってどういうこと?
  • 初めての挫折
  • 理不尽に叱る上司のもとで働きたくない
  • 自分を優位に置きたい上司との付き合い方
  • SNSの問題
  • 同期ばかり贔屓される
  • 職場で嫌いな人が気になる
  • 評価されない
  • 自分の能力を活かせない
  • なぜ自分ばかりが貧乏くじ?
  • 人に援助を求められない
  • 産休・育休・時短の後輩を許せない
  • 部下に嫌われることを恐れる上司
  • 部下が結果を出せない
  • 彼がほしくない
  • 嫌われるのが怖い
  • 嫌なことも我慢してしまう
  • 私が嫌い
  • 長く付き合っている人
  • 感動しなくなる
  • 嫉妬する私
  • 友情と恋愛はどこが違うのか
  • 失恋に救いはあるか?
  • 彼女を幸福にできない
  • 彼から連絡がこない
  • 結婚を迫る彼女
  • 親からの圧迫
  • 誰とでも結婚できるのか
  • 結婚して豹変した彼
  • 価値観が違う
  • 早く結婚したことを後悔している
  • 夫の協力が得られない
  • 会話がない
  • 死にたいという夫
  • つらい過去の話ばかりする夫
  • 離婚する時に注意することは
  • 怠惰なオジサンが許せない
  • 親に助けてほしい時、断られると腹が立つ
  • 待機児童を放置する国に腹が立つ
  • 妻にけなされる
  • やる気が出ない子ども
  • 親からほめられないで育った
  • 「つい」感情的に
  • 極端な性格
  • 成人した子どもが心配
  • ただ生きてほしい
  • 心配性の母とどう付き合うか
  • 今から関係修復は可能か
  • おせっかいな姑 その1
  • おせっかいな姑 その2
  • 親に愛されていないことが寂しい
  • 親に何年も会っていない
  • 定年後が不安
  • 姉妹の諍い
  • 人の意見を聞かない夫
  • 家業を継ぐべきか
  • 義父母との暮らし
  • 支配的な祖父と孫の関係
  • 躾けのなっていない嫁
  • 酒をやめない父
  • 今しがたのことも忘れる親

「もし自分が相談されたら、自分はどのように答えるだろう?」と考えながら『人生を変える勇気』を読めば、アドラー心理学への理解が深まるはずです。

人生を変える勇気』を読んでみると、まったく関係のない独立した悩みに対しても、同じアドラー心理学の「考え方」が役に立つことを発見できるはずです。

人生を変える勇気』については本講座でもフォローしていますので、是非、参考にしてください。

【推薦図書】人生を変える勇気

原点

「アドラー心理学を学ぶのだから、アドラー本人の著作を読むのがいいんじゃないか?」と思う人もいるかもしれませんが、個人的にはあまりおススメしません。アドラー本人の著作をいきなり読んだところで、逆にアドラー心理学がよくわからなくなる可能性の方が高いと思います。

アドラー本人は生涯で15冊の主著を刊行しましたが、そのうち12冊が翻訳されています。しかしそれぞれ取り扱っているテーマもまちまちなので「どれを読めばいいのだろう?」と戸惑ってしまうと思います。

そこでおススメしたいのが『アドラーをじっくり読む』です。

アドラーをじっくり読む』では、アドラーの代表作の概要がコンパクトにまとめられています。きっとアドラーの原著を読む前のいい予習になるはずです。アドラーの原著のなかに、もし気になるものがあれば、読んでみるのもよい経験になるはずです。

【推薦図書】アドラーをじっくり読む

師匠

わたしはある人に興味をもったら、その人が強く影響を受けた人の本も積極的に読むことにしています。わたしの経験上、自分が興味をもった人の師匠にも興味をもつことが多いからです。

キリスト教を広めたのは宣教師パウロの功績がとても大きいのですが、キリスト教をはじめたのはキリストです。同様に、日本にアドラー心理学を広めたのは岸見一郎先生ですが、日本にアドラー心理学を輸入したのは野田俊作先生です。岸見一郎先生は、著書の「あとがき」の最後に野田俊作先生への感謝を述べていることもあります。

アドラーの著作の翻訳をしたときと同じく、日本アドラー心理学会前会長の野田俊作先生に、十年来の学恩に感謝を捧げたいと思います。

【引用:アドラー心理学入門】

野田俊作先生のアドラー本は4冊が出版されているのですが、個人的には「すべておすすめ」です。

さて……これまで紹介してきたアドラー本は、アドラーもしくは岸見一郎先生のものでした。アドラーの心理学が『個人心理学』なのであれば、岸見一郎先生のアドラー心理学は『岸見アドラー学』です。そして野田俊作先生のアドラー本で学べるのはもちろん『野田アドラー学』なのです。

『個人心理学』『岸見アドラー学』『野田アドラー学』には、それぞれ異なる趣があります。同じアドラー学なのですが、やはりどこか違うのです。どこが違うのか?ということを考えること自体が勉強になるだろうと思います。

本講座『アドラー入門講座』の目的は、アドラー心理学を参考にして『あなたのモデル』を人生に活かすことです。『野田アドラー学』に触れることは、必ずや『あなたのモデル』を構築する上で参考になるはずです。

野田俊作先生の著作については、本講座でもフォローしていますので、是非、参考にしてください。

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