自己啓発と対人関係

今回は自己啓発と対人関係の関係性について説明します。

生き方の提案

すでに『アドラー心理学と自己啓発』を学習したあなたであれば、「あなたは他者のために生きている」わけではないし逆に「他人はあなたのために生きている」わけでもないことを理解しているでしょう。利己的でもなければ利他的でもない生き方とは、どのようなものでしょうか?

その答えはすでに『アドラー心理学と自己啓発』のなかで説明しているのですが、重要なことなので繰り返します。アドラー心理学の用語で記述するならばズバリ……『共同体感覚』を『導きの星』にして『今ここを生きる』のが、アドラー心理学における生き方の提案です。

そして『共同体感覚』を『導きの星』にして『今ここを生きる』ためには、対人関係を維持・発展させることが必要不可欠なのです。それこそが『アドラー入門講座』にて、『対人関係』について解説する理由です。

ありのままに生きようとすれば、「ありのまま」のレベルに応じて、対人関係のスキルを磨かなければなりません。とはいえ具体的なイメージが湧かない人もいるでしょうから、『対人関係』の重要性について、「趣味と仕事」という切り口で説明を加えておきたいと思います。

趣味と仕事

あなたは趣味と仕事の違いがわかるでしょうか?趣味とは「自分の好きなことをやること」です。仕事とは「社会のために機能を提供すること」です。

ですから「好きなことで生きていく」というYouTubeのスローガンを成立させるためには、自分の好きなことが社会貢献につながっていることが最低条件になります。

なぜ最低条件なのかというと、社会のために機能を提供するだけでは、生活が成り立たない可能性があるからです。生活を成り立たせるためには、「趣味」「仕事」の条件に加えて、「資産形成」のスキルも必要になってきます。

「資産形成」とは「収支のバランスを保つこと」です。具体的には「お金を集める」(例:出資・融資)ことと、「お金を使う」(例:消費・投資)ことを同時に成り立たせることが、資産形成のスキルです。

たとえばあなたが蕎麦をつくるのが大好きで、自分の喜びのために蕎麦をつくって食べるならそれは「趣味」です。また蕎麦をつくるスキルを社会に提供するならそれは「仕事」です。さらに蕎麦屋で独立開業するなら「資産形成」のスキルが必要になるでしょう。

以上、「趣味」から「仕事」、「仕事」から「資産形成」のフェーズに移るにつれて、どうしても「対人関係」のスキルを磨く必要が出てくるわけです。蕎麦をつくって他人に有料で提供するなら、他人の好みやお財布事情についての理解が必要です。独立開業するなら、家族からの援助や金融機関からの融資なども必要になってくるでしょう。いずれにせよ「対人関係」のスキルが低ければ、スムーズに物事が進まないはずです。

対人関係のスキルは、日本社会に息苦しさを感じ、「ありのままに生きたい」と願う人にこそ必要不可欠なスキルです。しかし……対人関係のスキルを磨く機会が、日本社会からどんどん奪われているがゆえに、「ありのままに生きたい」という願いを叶えることが難しくなってきているのもまた事実なのです。

基本戦略

もし……生まれて死ぬまで小さな村のなかでしか人間関係を構築しないのであれば、『村の掟』を死守することだけが重要でしょう。しかしもし……見ず知らずの他人と協力する必要があるならば、『対人関係の基本戦略』がなければ心もとないはずです。

『対人関係の基本戦略』とは、アドラー心理学の用語でいうところの『共同体感覚』に他なりません。とはいえ『共同体感覚』といわれてもよくわからないでしょうから、『対人関係のモデル』を提示したいと思います。

『対人関係の基本戦略』≒『共同体感覚』≒『対人関係のモデル』について説明した上で、親子関係などの具体的な人間関係に関するモデルについても、順次提案していく予定です。

「ありのまま」に生きたいと願うあなたの参考になれば幸いです。

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