銀行に現金はそんなに多くは「ない」

銀行の窓口で「わたしの預金1億円を、今すぐ下ろしてください!」とお願いしたらどうなるでしょうか?

銀行の不思議

答えは「お金は下ろせない」です。実は……銀行には、それほど多くの現金はないのです。仮に預金通帳に100,000,000円と印字されていたとしても、お金は下ろせないのです。

預金1億円どころか1千万円を下ろそうとしても、銀行窓口のスタッフから「最低でも前日にはご相談していただかないと困ります」と現金の引き出しを断られてしまう可能性が高いでしょう。

もちろん「●●万円以上のお金を引き落とすときには、前日までに相談する」という規約は、銀行のホームページのどこにも記載されていません。

それにも関わらず、預金として銀行に預けているはずの数千万円、1億円単位の現金はすぐに下ろすことができないなんて不思議な話だと思いませんか?

お金はどこにある?

もしかしたらあなたは「預金通帳に印字されたお金は、銀行の支店にはなくても、どこか大きな金庫の中にあるのでは?」と考えるかもしれません。

しかしその予想は間違っています。一般人の預金通帳に印字されている合計金額分の紙幣・貨幣はどこにも存在しないのです。

実は……1億円、1,000万円のお金が銀行の支店に「ある」わけではないのです。1億円、1,000万円という数字が預金通帳に「印字」されているだけなのです。

では預金通帳に印字されている「お金」はどこにあるのでしょうか?

預金はどこにある?

預金通帳に印字されている数字は、「銀行のコンピューターが管理」しています。そう。あなたの預金残高が「●●万円」であることを、銀行のコンピューターが管理しているだけなのです。

では銀行のコンピューターが管理しているものとは一体何でしょうか?答えは、「●●さんの預金は●●円」という「情報(データ)」です。

では「情報(データ)」とは具体的にどのようなデータなのでしょうか?銀行のコンピューターが管理するデータとは、主に「入出金記録」と「預金残高」の2つのデータです。

要するに、あなたがどんな取引(入出金)をしたのか?その後に残る預金残高の金額はいくらなのか?ということを銀行はコンピューターで厳重に管理しているのです。

極端な話、ハッカーが銀行のコンピューターで管理している数字を上手に書き換えてくれれば、わたしたちは大金持ちになれるのです。少し混乱してきましたか?

たしかにわたしたちが「お金」だと思っていた銀行預金が、実はただのデータでしかなかったという事実は受け入れがたいかもしれません。しかし、れっきとした事実なのです。

では……お金がデータなのだとすると、そもそもお金はどうやって生まれたのでしょうか?

日本銀行が紙幣を刷っている

新聞・雑誌・テレビなどでは、「お金を刷る」という表現がよく出てきます。ここでいうところの「お金」とは「紙幣」のことです。もちろん紙幣を刷っているのは日本銀行です。

さて……日本銀行が刷った紙幣は、どのような経路でわたしたちの手に届くのでしょうか?

わたしたち民間人は、日本銀行に口座をつくることを許されていません。日本銀行に口座をつくることが許されているのは金融機関(主に銀行)だけです。つまり「わたしたちが手にするお金は、必ず銀行を経由している」のです。

ここで「あれ?」と疑問に感じる人が多いはずです。「紙幣・貨幣の合計額以上に預金が存在するのだとすれば、紙幣・貨幣の合計額以上に存在する『預金』というものは、いつ、どうやって、生まれたのだろうか?」と。

実は……銀行は「お金を無から生み出している」のです。その仕組みのことを「信用創造」というのですが、信用創造についてちゃんと理解している人は少ないのでわかりやすく解説したいと思います。

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