前回の講義では「お金とは情報(データ)である」ということを明らかにしました。つまり銀行にあるお金のほとんどは「預金」であり、銀行は預金残高分の現金(紙幣・貨幣)を準備できないのです。
今回の講義では「お金とは情報(データ)である」という事実を数字で理解してほしいと思います。まずは以下の資料をご確認ください。
お金は情報である

【2018年3月時点】
上記資料は、「どこに」、「どんな種類のお金」があるのかを整理したものです。この1枚の資料でお伝えしたいことは、「紙幣・貨幣」は日本に存在しているお金のほんの一部であるということです。
わたしたちは手に触れることができる物理的な「紙幣・貨幣」がお金のすべてだと勘違いしてしまいがちです。しかし繰り返しになりますが、「紙幣・貨幣」は、むしろお金のほんの一部であることを理解していただきたいのです。
今回の講義であなたに伝えたいことはこれだけです。「お金は情報(データ)である」ということを、数字ベースで実感してほしかったのですが、せっかくの機会なのでいくつか補足しておきましょう。
統計情報
さて……テレビや新聞でよく登場する「マネタリーベース」や「マネーストック」という言葉について、よく知らないという方もいると思いますので簡単に説明しておきたいと思います。
マネタリーベースとは?

【2018年3月時点】
マネタリーベースという言葉を聞いたことがありますか?
日本銀行のHPを確認すると、マネタリーベースとは「日本銀行が供給する通貨」と説明されています。マネタリーベースの内訳は、以下の3つです。
- 紙幣(日本銀行券発行残高)
- 貨幣(貨幣流通量)
- 日銀当座預金
ここで注目すべきは、日銀が説明するところの「通貨」の定義に「日銀当座預金」が含まれているということです。
日銀当座預金とは、金融機関が日本銀行に預けている無利息の預金(市中に流通していないお金のこと)
紙幣・貨幣・日銀当座預金の金額は以下のようになっています。
- 紙幣 ⇒ 103.9兆円
- 貨幣⇒ 4.8兆円
- 日銀当座預金 ⇒ 383.3兆円
そう。マネタリーベースのほとんどが「日銀当座預金」という国民が直接利用できない「お金」なのです。
国民が直接利用できない「お金」に注目してもしょうがありません。わたしたちが注目すべきは、マネタリーベースよりもむしろこれから説明する「マネーストック」のほうなのです。
マネーストックとは?

【2018年3月時点】
マネーストックを一言で説明するならば、「社会に出回っているお金」(金融機関や政府の保有するお金を除く)のことです。
マネーストックの統計的な内訳は細かく定められているのですが、あまり詳しく説明する意味もないので省略します。
この講座ではマネーストックとは、「現金通貨」(紙幣・貨幣)、「あらゆるタイプの預金」、「金融商品」(投資信託等)だと理解すれば十分です。
- 現金通貨 ⇒ 約100兆円
- あらゆるタイプの預金 ⇒ 約1,200兆円
- 金融商品 ⇒ 約340兆円
ここであらためて注目してほしいポイントは、社会に出回っている「お金(マネーストック)」の約7割が「預金」という情報(データ)であるという事実です。そう。お金のほとんどは「データ」として使われることなく銀行に眠っているのです。
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