お金について勉強する上で、世界でもっとも影響力の強い通貨であるドルを、無視するわけにはいきません。まずは日本という小さな枠組みではなく、強い影響力をもつ米国から日本を眺めてみることにします。
1913年のクリスマス
1913年のクリスマス休暇中に、アメリカの一部の議員だけが集められて「FRS(連邦準備制度)」法案が成立しました。現在の米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)を成立させる元となった法案です。
欧米人にとってのクリスマスとは、日本人にとっての正月のようなものです。日本の会社員の仕事納めが元日の2日前である12月30日であるように、欧米人のクリスマス休暇は遅くとも12月23日からはじまります。
ですから1913年にアメリカの一部の国会議員がやったことは、日本の国会議員が元日にこっそり集まって法案を通すようなものです。まさに「あり得ない」出来事だったのです。
そして実は……クリスマス休暇中に集められた議員は全員、ロスチャイルド家、ロックフェラー家、モルガン家などの名家の息がかかっていたのです。(以下:お金の権力者と呼ぶことにします。)
お金の権力者であるロスチャイルド家、ロックフェラー家、モルガン家などの銀行家が、そこまでして手に入れたものはなんだったのでしょうか?それは……「通貨発行権」です。
多くの日本人は(アメリカ人でさえ)、米国ドルはアメリカ政府が発行していると信じています。しかし真実はまったく異なるのです。FRB(連邦準備制度理事会)といわれるアメリカの中央銀行は「民間銀行」なのです。
ウッドロー・ウィルソンの後悔
FRS(連邦準備制度)に署名した大統領は、以下のような言葉を残しています。
わたしはもっとも不幸な人間です。私はうっかりして、私の国を滅亡させてしまいました。
大きな産業国家は、その国自身のクレジットシステムによって管理されています。
わたしたちのクレジットシステムは一点に集中しました。したがって、国家の成長とわたしたちのすべての活動は、ほんのわずかな人たちの手のなかにあります。
わたしたちは文明化した世界においての支配された政府、ほとんど管理された最悪の統治の国に陥ったのです。
もはや自由な意見による政府、信念による政府、大多数の投票による政府は、ありません。
小さなグループの支配者によって拘束される政府と化しました。
ウッドロー・ウィルソン大統領
お金の役割
一般的にお金の役割は、以下の3つだといわれています。
- 交換媒介機能(物やサービスの交換をするための手段)
- 価値尺度機能(物やサービスの価値の尺度を決める手段)
- 価値保存機能(①と②の機能を保存する手段:紙幣・貨幣)
お金は交換の道具です。(1.交換媒介機能)
またお金には「リンゴは100円」というように、モノやサービスの価格を定量化する役割があります。(2.価値尺度機能)
さらにお金は、道具としての役割、価値をあらわす役割を担うために、紙幣・貨幣という姿で存在しています。(3.価値保存機能)
しかしお金には上記3つの機能とは別に、隠され続けている裏の役割があるのです。お金を発行する権限を一部の権力者が握った時点で、お金には「支配の道具」という機能が加わったのです。
つまりお金の役割は4つあるのです。
- 交換媒介機能(物やサービスの交換をするための手段)
- 価値尺度機能(物やサービスの価値の尺度を決める手段)
- 価値保存機能(①と②の機能を保存する手段:紙幣・貨幣)
- 支配の道具
権力の源
お金は奴隷の新しい形です。それは人格をもたないということから特別扱いされてきました。主人と奴隷との間に、人間的関係などないのです。
レオ・トルストイ(帝政ロシアの小説家)
通貨発行権を手に入れるということは、「必要なときに必要なだけドルを刷ることができる」ことを意味します。お金の権力者たちは「お金の魔法使い」といっても決して大袈裟ではない権力をもっているのです。
例えば利害関係が一致した人には「お前には世話になっているから、お金をあげるよ」と優しくする一方で、敵対的な勢力には「お前には絶対にお金を貸さん!」と冷たい態度をとることができます。
平たく言えば、気に入った会社は優遇し、気に入らない会社は倒産に追い込むことだってできるのです。どこの誰にどれだけの富を分配するかを決定できる権力を悪用すれば、あくまで間接的にですが、世の中に影響を与えることができるのです。
しかし通貨発行権には、世の中をコントロールするという以上の力があるのです。そのカラクリを解説します。
搾取のカラクリ
これから説明することを下図にまとめましたので、図を見ながら読み進めてください。

FRB(連邦準備制度理事会)がドルを刷るとき、そのドルはアメリカ政府に貸し付けています。その一方でアメリカ政府は、ドルを手に入れるかわりにアメリカ国債をFRBに渡します。
アメリカ国債とはアメリカの政府が発行する「借用書」のようなもので、アメリカ国債には利回りがつきます。つまりドルを刷る代わりにアメリカ国債を手に入れたFRBは、ドルを刷れば刷るほどアメリカ国債による利回りをアメリカ政府に要求できるというわけです。
アメリカ政府はFRBに支払わなければいけない国債の利回り分のお金をどうやって確保するでしょうか?
答えは簡単です。
アメリカ政府は、FRBに国債の利回りを支払うために、国民から税金を徴収するのです。ですからアメリカの「所得税」は、アメリカ政府がFRBに国債の利回りを支払うために徴収している税金だともいわれています。
以上の仕組みは、労働者からすれば悪夢のような仕組みです。そのカラクリを簡単に説明します。
悪夢のような仕組み
基本的にGDP(新しい付加価値)が発生した分だけ、お金は新しく供給される必要があります。なぜならば世の中に新しい商品・サービスが誕生したところで、お金がなければ取引することができないからです。
つまり労働者が頑張れば頑張るほど経済は成長し、経済が成長すればするほど新しいお金が必要になるというわけです。
しかしその一方で、中央銀行が新しいお金を発行すればするほど、政府の中央銀行に対する借金は増えていきます。そして最終的に政府の借金は、国民が「所得税」として負担するのです。
つまり労働者が頑張って経済が成長すればするほど最終的には国民の税負担が増えるのです。つまり労働者は中央銀行に搾取される運命にあるのです。
要するに政府の借金によりお金が生み出されるという金融資本主義の仕組みは、見方を変えれば国民から富をひたすら搾取するための装置になっているのです。
もしかするとあなたは「所得税をたくさん支払っているけど、ちっとも暮らしが良くならない」と不満をもっているかもしれませんが、以上のカラクリを理解すれば、税金が国民に還元されるとは限らないことを理解できるのではないでしょうか?
ここまで説明すると日本人であるあなたは「わたしはアメリカ人じゃなくて日本人でよかった~」と思うかもしれません。しかし実は……日本人はもっと悲惨な目に遭っているのです。
■ 次はコチラ
■ 経済の記事一覧